「ちょっと。……止めなって言ってるだろ」
 背後から胸元をまさぐる男へ、メグは肩越しに訴えかけた。
 「カッ。いいから手ェ動かせよ。こっちは腹減ってんだ」
 話し掛けられた男は、お構いなしにエプロンの上から胸を揉む。
 豊かな二つの膨らみは、大きな掌にすっぽりと包まれ思うままに弄ばれていた。
 「こ、こんなんで料理なんか作れるか! あっち行ってろ」
 「根性でなんとかしろ。あー柔らけー」
 男──葉柱ルイは、メグの拒絶もお構いなしに胸を捏ね回し、髪の香りを嗅ぐ。その手がエプロンの間に滑り込み、ニットの上からより強く握り締めてきた。
 「い い か げ ん に し な」
 振り向きざま、持っていた包丁をルイの眼前に突きつける。ギラリと冷たい輝きに、ルイも後ずさった。
 「こっちは刃物持ってんだからね。手元狂ったらどうしてくれんだい」
 元々整った顔立ちだけに、怒った顔にも凄みがある。
 「…………カッ!」
 冷や汗を垂らしつつ不満げに一言発して、すごすごとルイがキッチンから出て行った。
 「……ったく」
 
 ルイがメグの所へやって来たのが十分ほど前。玄関口で、いきなり“オムレツを作れ”と言いだした。
 「プレーンじゃねぇぞ。イロイロ具の入ったヤツだ!」
 機嫌の悪い時なら問答無用で顔面にストレート喰らわせドアを閉めるのだが、その時のメグは
 (ま、作ってやってもいいか)
 と、招き入れてしまった。そうしたら落ち着きの無いこの男は、待っているのが退屈なのか空腹と一緒に性欲まで満たす気なのか、あれこれちょっかいを出してくる始末。
 (いつまで経ってもだだっ子みたいなんだから)
 溜息を一つ漏らし、メグは再び料理にとりかかる。
 玉葱、ジャガイモ、茹でたホウレンソウ、椎茸を切り終え、ベーコンのパックに手を伸ばしたところで
 
 さわり
 
 尻を撫でる男の手。
 「テメェ……。まだ懲りてねェのか」
 「カッ! これなら料理の邪魔にはナンネェだろ」
 真後ろにしゃがみこんだルイが、顔も上げずに返事する。これ以上言い争っても無駄とあきらめ、メグは調理を再開した。
 
 さわり さわり さわり さわり
 
 ルイの手が次第に大胆になってくる。最初はスカートの上から形をなぞるだけだったのが、両手で尻肉を揉み始め、ヒップの谷間を指が這う。
 「る、ルイ……。なんか、触り方ヤラシイよ」
 「ヤラシイ事してんだろが」
 ルイの手が尻から太腿、膝頭まで愛撫の範囲を広げる。卵を持つメグの手がおぼつかなくなってきた。
 「ひゃっ!? ちょ、ちょっと、ルイ!」
 ルイの頭がスカートの中に潜り込む。
 「こ、この馬鹿! 悪ふざけにも程が……ンンッ!!」
 ぞくぞくぞくぅっ、とメグの背中を電流が駆け抜けた。ルイの長い舌が太腿を舐め上げたのだ。左右の脚を、ゆっくりと味わうよう交互に舐めていく。
 「どうした、メグ。手ェ止まってんぞ」
 スカートから顔を出し、ニヤニヤとルイが見上げる。
 「こ、このぉ……。後で覚えて……ハァンッ!」
 下着の上から、ルイの指が秘部をなぞった。メグは膝から崩れそうになり、両手を流し台について身体を支える。シュッ、シュッ、と男の指が、下着越しに敏感な部分をこすり続ける。
 じわり、と身体の奥で女の本能が目を覚ますのをメグは自覚した。
 (やば……スイッチ、入っちゃった……)
 
 カタン
 
 メグが包丁を置いた。カカカ、と声を上げてルイが笑う。
 「ようやくソノ気になったみてェだな。なら本格的にいくぜ」
 また男の頭がスカートの中に潜り込んだ。下着の股布をずらされ、熱いぬめりがメグの中に入ってくる。
 「ふあ、はあぁ…………」
 頬を桜色に染め、愉悦交じりの吐息を漏らす。波打つルイの舌が胎内の奥深くまで侵入し、かき回した。
 (ああ……ルイの舌、が…………子宮まで、犯されそう……)
 ピチャピチャと音を立てメグの蜜を啜り、指が肉芽を転がす。男の荒い鼻息が、尻や太腿をくすぐった。
 身体の奥からジンジンと湧き上がる快感は全身へと広がり、乳房が、乳首が、熱く疼きだす。
 メグは無意識のうちに片手でエプロンを外し、自分の乳房を慰め始めた。
 「あん、ふあぁ……んふぅ!」
 いつもの低く抑えた声が甘く、高いものへと変わっていく。額や首筋に、薄っすらと汗が浮かんできた。
 「……ヤベェ、俺の方も我慢できなくなってきやがった」
 メグの中から舌を引き抜き、ルイが離れた。同時にメグの全身から力が抜け、へたり、と床に座り込む。
 その間にルイはベルトに手を掛けズボンを下ろし、既に隆々と勃起したおのれのモノを引っ張り出した。
 「こっちもしてくれよ、メグ」
 ルイの呼びかけに、メグはトロンとした視線をさ迷わせる。そして男の股間にそそり立つものを認めるとその前に跪いた。ゴツゴツと血管の浮き出たそれに頬を寄せ、押し当てる。
 「ふふ……。ルイの……スッゴク、熱くなってるよ」
 悪戯っぽく笑い、舌を這わせ始めた。根元から先端へ、何度も丁寧に舐め上げて唾液をまぶす。
 「む……うぉ」
 たまらずルイも声を漏らした。メグは全体を舐め清めると、艶やかな唇に男のモノを含んでいく。
 「ん……んむ……んふぅ……ん……」
 目を閉じて、口の中のモノの大きさを感じながら、メグはフェラチオに没頭する。唇のすぼまりが幹をしごき、舌が先端の丸みやエラの裏をなぞる。そしてにじみ出る先走りを舐め取り、味わった。
 ちゅぱっ。 ぷちゅっ。ちゅるる……
 「メ、メグ! タンマ、それ以上されると出ちまう!」
 ルイが慌てて腰を引いた。ちゅぽっ、と音を立て、メグの口からペニスが逃げる。
 「あんっ」
 名残惜しそうにメグが鳴いた。
 「カッ。そんな顔するなよ。どうせなら一緒にキモチヨクなろうぜ」
 ぐっしょりと濡れた下着と、スカートを脱ぎ捨てる。
 床に寝そべるルイの上に跨り、メグはゆっくりと腰を下ろしていった。片手はペニスに添えられ、自分の入り口へとあてがう。待ちわびて開いた花弁に先端が触れ、ヌルリと飲み込まれた。
 「あっ!…………ふううぅぅぅ…………」
 胎内を満たしていく男の感触に、メグが息を吐く。意外と厚い胸板に置いた手で身体を支え、更に深くへ迎え入れた。ルイの上にすっかり腰を落ち着け、愛しい男のモノを咥えこんだ自分の下腹を撫でる。
 「フフフ。……ルイの、奥まで届いてるよ。……ねぇ、アンタはどんな感じ?」
 「アァ? ……サイコーに、決まってんじゃねえか!」
 ズン、と下から突き上げる。不意打ちにメグの身体がのけぞった。
 「こ、こら! 急に動かさないで。……アンタはじっとしてていいよ」
 ゆるゆると女の腰が動き始める。ペニスを奥まで飲み込んだまま、円を描くような動き。二人の接合部がこすれ、花弁や敏感な肉芽を刺激する。
 ルイの両手がメグの服とブラをたくし上げ、まろび出た乳房を手に収める。指にしっとりと吸い付く肌の張りとマシュマロのような弾力。そしてツンと尖ったピンク色の乳首を掌全体で楽しむ。
 腰の動きが少しずつ激しさを増し、粘つく水音とともに接合部が白く泡立つ。
 「……そろそろ、こっちも動くぜ。ラストスパートだ」
 ルイが上体を起こし、メグの身体を抱え直した。あぐらをかいた男に、女が抱きつくような格好。
 ギュッ、としがみついてきたメグを激しく突き上げる。
 「あっ、あっ、んっ、んあっ、は、激し、あはぁっ!」
 ルイの肩にギリリ、とメグの爪が食い込む。それでも腰の突き上げは緩めない。やがて熱いものが自分の奥から噴き出そうとする感覚。
 「メグ……も、もうイきそうだ」
 「あんっ! あんっ! あっ、ま、待って」
 「な、なんだよ、今日は、ヤバイ、のか」
 「キ、キス……まだ、してもらって、ない」
 ぐい、と後頭部を掴まれる感触と同時に、メグの唇が塞がれた。間を置かず、胎内に広がる熱い感覚。
 「んんんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
 キュン、キュンと身体の奥が痙攣し、頭の中が真っ白になる。二度、三度と男のモノが跳ね、断続的にメグに絶頂感を送り込んできた。
 「………………………………っぷはぁ!」
 メグの唇を解放し、ルイが大きく息継ぎした。メグはぐったりとルイに身体を預け、息を荒げている。
 「あ……はあ……」
 「ハァ、ハァ、…………メグ」
 耳元に、ルイが囁きかける。
 「…………ルイ……」
 「………………腹減った。飯ィまだか?」
 瞬間、ルイの顔面に鮮やかな右フックが決まった。
 
 ────それから二十分後。
 小さな座卓の上には、白い皿に乗った黄色い大きな紡錘型。
 ケチャップでアメフトボール風に模様の描かれたそれを、背中を丸め、男が無言で掻き込んでいく。
 「美味いかい?」
 火の無い煙草を咥え、ベッドに腰掛けたメグが尋ねた。
 「食いづれェ……」
 仏頂面でルイが答える。
 「っの馬鹿、マジ殴りしやがって。口ン中切っちまったじゃねェか」
 「自業自得」
 冷たくあしらってビデオのリモコンを手にする。テレビ画面に巨深×柱谷戦の録画が再生された。
 強豪・柱谷が赤子同然にひねられる光景が、無音で淡々と流れていく。
 「おい、んなモン見せんなよ。せっかくの飯がまずくなる」
 「アンタは気にせず食ってていいよ。アタシは勝手にコレ見てるから」
 「カッ! いまさらジタバタしたって始まらネェ。相手が巨深だろうと誰だろうとブッ潰してやる!」
 (嘘ばっかり……)
 心の中でメグは呟いた。不安が無いなら、この男は自分の所を訪れたりしなかったろう。
 それが分かっていたから多少の我侭も許してやる気になったのだ。
 たった一人でチームを束ね、全てを背負い込む不器用な男。
 さっきの言葉とは裏腹に、ルイはスプーンを止め、食い入るように画面を見つめている。
 もうその視線に迷いは無い。闘う覚悟を決めた、漢の顔だ。
 (そうだね。一人なら怖くても、二人なら前へ進む勇気も出るさ)
 食後のコーヒーを淹れに、メグはキッチンへ向かった。

 



 
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