大抵、練習が終われば二人になる。
というのも他の糞部員共は練習が終わればそれでこの場に居る理由はなくなるが、
俺は何かとデータ整理だの何だのをするのが昔からの習慣だったわけで、
寧ろ侵入してきたのはこの女の側であって、つまりは俺は被害者に値するワケだ。
コイツが世の中の女の大半よりは遥かに役に立つのは実証されてる。
ただ、必要かと疑うほどに律儀に毎日の掃除は欠かさねえし、なによりこの時間は本来、俺一人の時間だ。

これは侵害だろ、姉崎まもり。

泥門高校の悪魔、と称される蛭魔妖一。
最近の「お悩み」は、泥門切っての優等生、姉崎まもり、だとか。
誰も知るはずもなく、まして誰もそんなことは微塵にも予想しない。
蛭魔妖一と姉崎まもりは、別個体、を通り越して別生物とまで世間は考えていることだろう。
もっと言えば、「あのヒル魔妖一」が悩む要素などあるはずがない。
蛭魔妖一が恐れられる最大の理由である、脅迫手帳が存在する限り、世間から見れば蛭魔妖一は無敵であり、
それがあってこその悪魔の称号。
今まで蛭魔妖一に逆らって、その漆黒の手帳を目に焼き付けられなかった者は居るか。否。
脅迫ネタを持たれていない者は居るか。それも否。
なぜなら、それが実証された試しは、ひとつもない。
だからこの俺が悩んでんだろーが。

誰も知らない蛭魔妖一の棲み処で、誰にも知られない懊悩。
漆黒の手帳に真っ白な一頁。
その頁にあるのは、顔写真と、名前と、身長体重生年月日に血液型。
それ以外は無い。その事実が明かされることも無い。
もし明かされたことがあったなら、蛭魔妖一はその時点で悪魔の称号を投げ捨てる破目になっているはずだ。
最近の蛭魔妖一の「お悩み」。

当然その日も朝は来て、時計は進み、日は沈み、煌びやかな部室には、男と女の二人だけが残っていた。
毎日の光景。カタカタと忙しく流れるキーボードの音と、アットランダムに囁くモップの掃き音。
規則的に流れる音とは裏腹、ヒル魔の頭の中では無数の曲線がうねり返し、
この男に似つかわしくない苛つきでその曲線は、どうも解を出させてはくれそうにない。

「ヒル魔くん、コーヒーでも入れようか?」
「・・・イラネ。」

また、曲線はうねる。
カタカタという音が消えて、ヒル魔の手には漆黒の手帳の、真っ白な一頁。
まったくなんにも無さ過ぎて笑えてくる。
普通の女だったら大抵、一人でヤってる声だの見てる雑誌が女子高生を上回るものだの、
実は男より掴み易いモンだってのに。
第一この女、そういうこと知ってるのか?
下手すりゃ、なーんにも知らなくても納得がいくぞ・・・
モップを仕舞ったと思ったら次は布巾を出してきて掃除に勤しんでいる女を眺めて、
苛つきや笑いよりも、呆れが一時強くなった。
まったく楽しそうにしやがって。テメーは他に楽しいことがねえのか。

「オイ糞マネ。」
その呼び方も皮肉にも定着したのか、抗議もなくこちらに振り返る。
「テメー、セックスとかそういう言葉、なんにも知らねえだろ?」
「なっ・・・!なんでそういうことサラッと言うの・・・!?」
ケケケ。
面白い具合に一気に顔が真っ赤になる。
とりあえず知らないわけでもなさそーだな。

面白えが、こんなもんなんの脅迫ネタにもならねえ。
うねり返す曲線が、少しずつだが、安定していく気がした。
ただ、安定してうねっているだけで、それは相変わらず激しく、規則的に曲線を描いている気もした。

今日は気分も悪くねえ。多少の苛つきはいつもの話だ。

ガタリ、と椅子から立ち上がる。
ゆっくりと、重々しく殺気を放ち、真っ赤になったまま背を向けた女の方へ近付く。
そして、女の左肩を右手で掴み、無理やり女の顔を向けさせた。

「そういうこと、俺が特別に講師してやろーか?」

丁度いい機会じゃねえか。
この俺を使って直々に、既成事実作成といこうじゃねえか。

「お断りします!」

キーン、と、耳に響く高い声。
効果音を付けたくなるほど、ヒル魔はニヤリと口元も引き上げた。
そう簡単に手に落ちる女だとは思っていなかったが、
セナが関わらない問題にもまもりが怒ることが出来ることにヒル魔は感心した。
勿論それはまもりを馬鹿にした感情を以てだが。
口に含んでいた無糖ガムを、すぐ傍にあったゴミ箱に投げ入れ、ヒル魔は両手をポケットに突っ込んだ。
指先に当たる脅迫手帳は、今か今かと、姉崎まもりのネタを待っている。
まもりは一言怒鳴った後は、また外方を向いて掃除をしていた。
本人は何食わぬ態度でいるつもりらしいが、動きは弱冠ぎこちなく、髪の毛が掻き揚げられた耳は赤みがかっていた。

「皆、どぶろく先生のメニューに慣れてきたみたいだね。」
「今なら無料にしとくぞ。なんなら調教してやってもいい。」

まったく食い違った会話。「これはビルですか?」「いいえ、ペンです。」状態。
まもりは逐一敏感に反応して、首をぐるんっと180度回転させてヒル魔を睨む。
予想通りのリアクションに、ヒル魔はケケケッと笑って見せた。
まもりは顔を真っ赤にして、へなへなになった視線で俺を睨んだまま、胴をヒル魔に向けて、布巾を机に置いた。

「・・・ねぇ、聞いてもいい?」
「あ?」
「ヒル魔くんは、私のことが好きなの?」

まもりのその言葉を聞いて、ヒル魔の眉間に皺が寄った。
頭の中の曲線が、微かにぶれた、気がした。

「んなわけねーだろ。勘違いすんな。」

当然の返答を返す。
立ちっ放しの、しかも女との会話は安定感がねえ。
ヒル魔は、当然の返答を返した。
まもりは、その言葉を聞いて、視線を床に落とした。拳は軽く握られていた。

「・・・そういうこと、って、どういうことはイマイチ分からないけれど、そういうことは、好きな人とやるものじゃないの・・・?」

さっきより、不愉快の念を込めて、ヒル魔の眉間に皺が寄った。
その表情は苛つきに満ちて、見る見るうちに邪悪な気を放ち出す。
まもりそれもまた、当然の返答だった。
それは、普通の人間が考える思想にまったく相違なかった。
ただ、それが、今のヒル魔の逆鱗に触れるのに最も相応しかっただけで。

曲線は、激しくうねり、何重にもぶれている。

あくまで純粋を通す気か。姉崎まもり。
いつまでも、真っ白な一頁で有り続ける気か。

本能だった。
その先や、その時の感情を冷静に思考する気はさらさらなかった。
ブッ壊してグチャグチャにしてやりてえ。
その時に浮かんだその動物的本能に、単純に従った。
ポケットから、両手を出す。
俺が歩み寄れば、姉崎まもりは多少の警戒心を露にした。
しかし、そんなものはまったく意味ねえ。
素早く両手で両手首を掴み上げ、女の頭の上で束ね上げ、都合よくすぐ傍に面していた壁にそれを押し付けた。

「きゃっ・・・!痛ッ・・・なにするのよ!?」

警戒心に怯えが入り混じった瞬間を逃さなかった。
そのタイミングを狙って、手首をギリギリと締め上げ、怯えを煽ぐ。
目的もなく、怯えを煽ぐ自分があった。なにがしたいのか、自分でも分からなかった。
それでも、込み上げてくるこの女への優越感に、体はひしひしと刺激されていた。
少し顔の角度を高くして俺を見る女と目が合って、ニヤリと笑って見せた。

「気に喰わねえんだよ。」

そう一言、女の顔に落としてから、俺は自分の唇を女のそれに押し当てた。
顔の距離が狭まるのと比例して、女の瞳が見開いて行ったのが見えた。

「んっ・・・!?んっ・・・ぅうっ・・・!?」

もっと色気のある声は出せねえのかこの女は。
突然の無理やりの行為に驚き、まもりは手首に力を入れる。
抵抗は当然の如く意味を成さず、ヒル魔の力に捻じ伏せられて動けない。
足元もいつのまにか、ヒル魔のその長い足に固定されていた。
漫画なんかを読んでいると、大抵キスシーンは目を瞑っているけれど、
そんな漫画のようなロマンチックな感覚は欠片もなかった。
兎に角、この状況から逃げたい。まもりは心にはそのフレーズがくっきりと浮かび上がっていた。
喰い付かれた唇はなかなか離して貰えず、状況に対応できずに呼吸もままならない。
だんだん力が抜けてきて、その瞬間に、ヒル魔の舌がまもりの口内に入り込む。

「んんっ・・・はっ・・・んっ・・・・・・!」

味わったことの無い感触と感覚と、口に入れたことの無い物体がまもりの中を荒らす。
角度を変えては貪りつき、力の抜けてきたまもりに容赦なく喰らい付く。
長く薄い舌は歯列をなぞり、歯茎を舐め、喉を塞いで呼吸を妨げる。
未体験の感覚は、まもりにとっては有り得ないほどの刺激で、体の熱は徐々に上がり出し、顔は火照り、足に力が入らない。
固定された足は座らせて貰えなくて、がくがくと震え出した足はヒル魔によって支えられていた。
自分の体なのに自分でコントロール出来ない。

この状況は一体なに。
悔しいのか、怖いのか、
それとも、切ないのか。

目が充血してきて、天井を仰いだとき、やっと唇を解放される。
はぁ、はぁ、と荒く呼吸を繰り返している間に、いつの間にか腰は床に着かされていた。
両手首は束ねられたままだったが、今はそれに抗議するよりも酸素が欲しかった。
意識は朦朧としていて、その時に自分の首もとのリボンが容易く外されていったことに気付けずにいた。

ヒル魔のほうは、両手首だけを左手で掴み上げてまもりを床に下ろし、それを見下げて、
中腰でまもりのリボンを、器用に細指の右手で外した。
そしてそれを、まもりの両手首に巻き付け、縛り上げた。
唇に纏わりついていた「才色兼備・姉崎まもり」の唾液を舐め取り、自分もしゃがんで、まもりの顎を掴む。
だんだん呼吸は整ってきて、現在の自分の有様を理解し始める。
手首に力を込める。さっきまでの押さえ込まれるような力は感じないのに、動かせない。
しっかりと固定されてしまった自分の両手と、すっかり自由になったヒル魔の両手を感じ、背筋に寒気が走った。
私、これからなにをされるの。
今日のヒル魔はいつもと違うということを、そこで初めて理解出来た。
とても楽しそうに、しかしいつものアメフトをしているときとは違う、悪に満ちた笑みを浮かべているヒル魔と目を合わす。

「なにするの・・・?」

この状況になっても、まだその気の強そーな目をするか、糞マネ。声、少し震えてんぞ。
縛り上げてはあるが、壁に張り付けてある姉崎の両手を支えていた左手に力を込める。
痛、という声を上げ、沈痛な面持ちを作る。

サディストか、それとも変態か、俺は。
その顔、たまんねえ。

「いい加減にしてください。そろそろ止めないと叫ぶわよ。」
「やれるもんならやってみやがれ。自分がどんな脅迫ネタ握られてるか知ってるのかぁ?」

ありもしない脅迫ネタで脅迫する。まったくの笑い話じゃねえか。

「そんなもの私にはありません!」
「じゃあ叫べばいいじゃねえか。生憎もうこの辺りには一人も人間は残っちゃいねーだろうがな。」

ぐっと唇を噛み締め、黙り込んだ。どうせ近所迷惑だのなんだのと無駄なことでも考えてるんだろ。
正しいのはテメーだ。だがそんなことは知るはずもねえ。
糞マネの顔と俺のそれとの距離は僅か20センチほどだった。
ニヤリ、と、口元を引き上げる。
糞マネがそれを見て、ぞくりと震え上がり、体の力が弱まったその隙に、
その体を軽く持ち上げ、床に押し倒した。

「やっ・・・!!」

反射的に飛び出した鼻にかかった女の声が、妙に部室に響いた。
これから、この女を支配する。
小さな女の体に跨り、左手は床に着き、自分の影で黒がかった女の頭蓋骨を右手で掴んだ。

「これは講義だ。全校集会で招かれた下手な学者の話でも聞いてるつもりで黙って犯されてろ糞優等生。」

ひとつひとつボタンを外してやるほど律儀じゃねえ。
ブレザーのボタン外しといて正解だったな糞マネ。被害が少なく済む。
ブラウスの第一ボタンの辺りを掴み、一気に下まで引っ張って引き千切った。

「やあぁぁっ!!止めてっ・・・!」

だんだん抗議の声が俺の耳に入ってこなくなる。
糞マネも漸く余裕がなくなったのか、さっきまでは僅かに残っていた気の強さが、今じゃまったく感じられなくなっている。
女というただの生物に成り下がる。
もっと原子的な次元に行こうじゃねえか、糞マネ。
胸の膨らみを隠していたものをずり上げ、現れた紅い突起を両手で弄ぶ。

「やっ・・・や・・・だぁっ・・・!」

立ってねえ。不感症か。
と疑ったのも束の間。少し力を込めればすぐにぷっつりを浮き出した。

「やっ・・・ぃやっ・・・」

こんな顔しといて確か恋愛経験は無かったはずだ。弄られるのも初めてか。
「そういうことは好きな人と」なんて言ってる時点で初めてだろーな。
真っ赤に染まった頬、目はぎゅっと閉じられ、顔はその場を逃げるように背けられている、その顔を、
また右手で顎を掴んで引き寄せ、左手は突起を弄んだまま、短く口付ける。

「好きでもない人にヤられる気分はどうデスカ?」

問いかけても返事は返らず、ただ、嫌、を意味すると思われる断片的な声を吐き続ける。
久しぶりに、頭の曲線が変化を表した。激しく、上下の幅を増してうねる。
気に喰わねえ。ちっ、と舌打ちを一発。
相変わらず目を閉ざしたまま。その目、開かざるを得ないようにしてやろーか。

左手は胸を揉みしだいたまま、右手をまた移動させる。下半身のほうへ。
スカートを手繰り寄せ、長い指を足に這わす。
ケケケ、と笑ってやると、糞マネは案の定、目を見開いて、必死になって体を持ち上げ、こっちを見た。

「ヒ・・・ル魔・・・それだけは・・・・・・」

言葉はがくがくとバランス悪く漏れた。
抗議した割には足に力が入ってませんね、姉崎サン?
足と足の真ん中に容易く右手は滑り込み、下着越しに、場所に触れた。

「ひっ・・・!」

素直な反応だが、まったくもって色気がねえな、糞マネ。
顔は悪くねえんだ。もっといい声で鳴きやがれ。
下着越しからでも分かるほどに濡れそぼったそこに、下着の間を通って指が到着した。

入り口に宛がえば、ぬるりと生暖かい粘膜が指先に纏わり付く。

「きゃあぁっ!!ひぁっ・・・!」

上ずった声で叫ぶ。一瞬、体は陸に上げられた魚の様にびくんと飛び跳ねた。
この状況を、理解することが出来ない。
抵抗したいのに、鼓動が速すぎて自分で言葉を紡げない。
おかしくなったのは、一体何処からだったか。
縛られたときか。キスされたときか。妙な言葉を掛けられたときか。
それとも、いつも絶え間ないキーボードのカタカタという音が消えたあのときから、もう既に・・・
こういうことって、好きな人とだけやるっていう考え、私は間違っていたの?
これが普通なの?あなたはそんな人だった?
やっと、あなたは世間体よりはいい人なんだって思ってきたのに。
私のこと、好きでもないくせに・・・
初めて感じる、体中を閃光の如く駆け抜ける刺激に触発されて、
そこまでの時間と、頭の中に僅かに残った理性が、走馬灯のようにまもりの脳裏を駆け巡った。

青みがかった瞳は焦点が合わない感じに緩く開かれ、天井を仰いでいた。
たったこんだけでこんなになってんじゃねえ。
指はまだ、その暗く続く道の入り口を触れたまま、そこに留まっていた。
ただそこに触れているだけでなにもしていないのに、まもりのそこからはじわじわと熱い液が溢れ出てくる。
なにもしないまま、そこから離す。
緊張から解き放たれたように、まもりの体から力が抜けた。
触れていたのは指先だけだったはずなのに、ヒル魔の長い指の第二関節あたりまで液は滴っていた。
わざとらしくその指を、まもりの細く開かれた目の前に持っていき、ひけらかすように見せてやる。

「正直な体だな、糞マネ。ホンモノのテメーはこんなに悦んでやがんぞ。」

まもりの頬に指を押し付け、ねっとりとした粘膜を擦り付ける。
外気に当たって冷えた液体は、まもりの熱すぎる体温には異常に冷たく感じられた。
どくん、どくん、と鳴り続けてるけど、この鼓動の種類はなんだろう。
恐怖か、絶望か。
とりあえず、目の前で私を甚振る生き物が、じわじわと、怖い。
なにをされるのか、まだ分からない。
鋭い眼と、剥き出された八重歯と、がっしりとした体。
今この状況の私が勝る要素は、ひとつも無い気さえした。
怖い、と思ってしまった。なにも考えられなかったさっきのほうが、よかったかもしれない。
怖い。怖い怖い怖い。
見つめられてる、なんて響きのいいものじゃなくて、その視線に突き刺される。
ニヤリと口元が持ち上げられたことがスイッチだった。
体は、ガタガタと震え出してしまう。

「も・・・ぅ・・・やめ・・・て・・・っ・・・!」

訴える、とはこういうのを言うのか、と思った。
最早それをも越えて、乞うものに近かったとさえ思った。
返事は貰えなかった。その代わりに、否定されるかのように、右手はまた胸の辺りに当てられた。
さっきのように突起を執拗に弄るものではなく、肉を全て掴まれ、形を変えられる。
目で、懇願した。気も無いのに、こんなことしないで、と。

「よくしてやるよ。」

一言、私の顔に置いていった。もう、これで私を見てはくれないのだと、形のない合図を渡された。
唇も震えだし、目の辺りが熱く滲んだ。

両手で片方ずつ胸を掴み上げる。
この俺の手でやっと収まるぐらいの豊胸は弾力性があり、形を変えてもすぐにもとに戻る肉の動きにそそられる。
糞マネは最後の意地のつもりか、声は聞こえず、荒くリズムの悪い呼吸を繰り返していた。
手の平真ん中辺りに収まっていた紅い突起が主張し始める。
指先で転がすと、糞マネはひっと音に出して息を強く吸い込み、必死になって舌を噛んだ。
右手はその動きを続け、左胸に喰い付く。
舌で転がし、吸い上げる。

「ぅぁっ・・・ん・・・!」

ちゅぱっと音を立てて吸い上げると、微かに声を洩らした。
こういうことに感じるのか。
立ち上がった突起は俺の唾液で光り、なんとまあやらしい光景だと鼻で笑う。
不公平がないように、今度は右胸にしゃぶり付き、同じようにしてやった。
また目が閉まってるやがる。

見ろよ。これがテメーの姿だ。好きでもねえ男に感じてるこの胴はテメーのもんだ。

「声、出せ。」

言わずもがなこれは命令だ。
経験ないくせに以外と耐えるじゃねーか。
口に含んだ突起を唇で挟んで引っ張り、音を立ててそれを離す。
繰り返す度に、舌を噛み、ぎゅっと目を瞑る。
そういう根性は嫌いじゃねえ。それでこそうちのマネージャーが務まるってもんだ。
だがな、今のテメーには認めねえ。
出させてやるよ。その真っ白な体を、真っ黒な妖気で染めてやる。

膝立ちで、ゆっくりと後退する。
糞マネは薄く目を開き、俺を覗いた。
解放されるとでも思ったか?
下半身の場所を隠していたものを、擦り下げた。

「やめっ・・・!」

いつまで無駄な抵抗をする気だ。
取り去ったそれを側に投げ、女の足首を掴み、曲げさせる。
露になった敏感であろうその場所は既に潤い、それどころか進行形で更に液を洩らしていた。
足首を持って女の足を固定したまま、その場所に口を近づけ、舌を宛がう。

「ひぁぁっ・・っ!!あぅ・・・っ・・・!」

女の体は弓状に張り、逃げようと腰を引く。
逃げさせてやるわけねえだろ。
完璧に力では俺のほうが優っていて、俺の舌はずくずくと進んでいく。

「ひぁっ・・・あっぁっ・・・やぁっ・・・ぁ」

限界まで入れて、そして抜き出す。その行為を繰り返す。
じゅくじゅくと液は絶え間なく流れ出る。
舌で掬い取り、喉を鳴らしてそれを呑んでやる。
中で動き回れば、それに応えるように量を増す。
いい場所を突いてやると、その度に女の足はびくりと上下した。
右手で、その場所のすぐ側にある花弁を弄ってやる。

「ひぁんっ・・・!やっ・・・ぃやぁっ・・・あぁぁっ!!」

一際甲高い声を上げたと思ったその時、大量の液がどくどくと流れ出た。
一番奥まで舌を突っ込んでいたせいで、口元はおろか鼻先にまで液が散った。
刺激のある臭いが鼻を劈く。
この女、イキやがった。
感度良すぎるぞ、この体。
舌を一旦抜き、唇に付いた女の液を舐め上げる。
女の足はぐったりと力が抜け、俺が左手を離すとどさりと床に堕ちてしまった。
はぁ、はぁ、という女の荒過ぎる呼吸を聞く。

少しずつ、確実に、この女を支配する。

「お気持ちはいかがデスカ?」

女の顔に俺の顔を近付け、女の頭を掴み、無理やり目を合わせさせる。
女は力なく、細く開かれた目も朧げに潤み、相変わらず、はぁ、はぁ、と言い続けている。
そこへ容赦なくキスを浴びせ、呼吸を妨げる。
口の廻りに付いた液を掬い、それを女の口内に渡す。

「テメーの味だ。」

女はなにも応えなかった。
さぁ、もうひと頑張りしてもらわねえとな。

意外と頭は、脳天気だった。
痛いなあ。
ずっと噛み締めてた舌がじんじんする。
下半身は、もっともっとじんじんしてるけど。
いっその事、この舌を噛み切って死んでしまえたら、いいのかな。
そんな度胸なんてないし、痛いのは嫌い。
実際のところ、今の状況を死ぬほど嫌がる理由は、私にはないのかもしれない。
こんなことなら、この状況をラッキーだと思えてしまうような女に生まれたかった。
でも私は、違うように生まれてきてしまったから。
ヒル魔くんが私のことを好きでも無いのにこんなことをするのは、間違ってるとしか思えないよ。

痛いな。
なんだかとても寂しい。

待っても、まもりから言葉として出てくるものは全く何も無かった。
ただまもりは、気持ちを素直に顔に表した。
その表情が作られたとき、ヒル魔の表情も黒く変化した。
しばらく安定していた曲線が、がくがくと振動する。
それと同じように、心臓が動いた。
どくっどくっ、という激しい音が嫌でも感じ取られる。
なんだよ。なんの表情だ、それ。
何が言いてえ。いつものように歯向かえばいいじゃねえか。

全部が、気に、喰わねえ。

女の口に指を挿し込み、女の赤い舌を指で挟む。

「今度もコレ噛む気なら、止めとけ。死ぬぞ。」

相変わらず、なにも応えない。
とことんいらいらさせてくれる女だ。

「素直に俺の言いなりになるか、それが嫌なら俺の舌を噛み切って、殺せ。」

テメーに与える最後のチャンスだ。女の唇に喰らい付き、舌を口内に滑り込ませた。
畜生、なんなんだこの女。

予想し得ていたが、女は俺の舌を噛み切ろうとはしなかった。
その代わりに、俺のキスに応え始める。
自分から舌を絡ませ、唾液が送り込まれる。
それなのに、その気になったのかと思えば、
急にぼろぼろに涙を流し始めた。
なんなんだ、この女は。
支配し切れない。
とことん背反を突かれる。
握れない。
唇を離したら、負ける気がした。
そのまま手だけは下半身に持って行き、指を場所に宛がった。
躊躇せずにそのまま奥に突き立てる。
処女の証が弾け飛んだ。

「んんっ・・・!!んっんっ・・・んん!!」

声にならない声を上げる。
舌を更に絡ませる。
息が出来ないぐらいに喉まで舌を伸ばす。
何度か軽く唇を離して角度を変えて、貪り付いた。
無論指も動かし続ける。

欲しいと思った。
正確には、欲しいと思った俺があった。
随分と客観的だった。
自分の感情を些か疑った。
勝利以外のものが欲しいだなんて、初めてだったかもしれない。
何が何でも掴み取りたかった。この女を剥き出しにしてやりたいと思った。
感じてるか、糞マネ。
さっきイッたばかりのそこは既に受け入れる準備をし、液はまた流れ出、太腿にまで滴っていた。
中指は最奥まで触れてはすぐに入り口近くまで戻す動きを続ける。

「声、聞かせろ。」

唇をゆるりと解放してやる。
二人の唇は銀色の糸で結ばれていた。

「ふぁぁ・・・っ・・・あっあっ・・・あぁっ・・・ん・・・っ・・・」

指の動きに合わせて艶かしく喘ぐ。
目の前の女の顔を、見つめた。
指を二本に増やしても、弱冠きつくはなるがすんなりと入っていく。

「ひゃぁぁ・・・っ!!ぅあっ・・・あぁっんっ・・・!」

一瞬、驚いたのように目を大きく見開く。

分からない。なにが欲しいのか。
曲線が、まだ今はくねり曲がりを描いてはいるが、だんだん直線に近付いていく気がした。
この変化がなにを表すのか分からないが。

そろそろ、俺も限界だった。
指の動きを緩め、片手で自分のそれを取り出す。
そしてそれを、十分に濡れそぼったそこに宛がい、
一気に貫いた。

「ああぁぁっっ!!い・・・たっ・・・ぁっ・・・!!」

すっかり太固くなったそれの挿入に、女はぎゅっと目を瞑り、痛みの余り涙を流す。
気を遣う義理なんか無いはずだ。そう思って、仕掛けたのは俺のはずなのに、なぜか大切に扱いたく思っている。
曲線が、確実に直線に向かっている。
それは駄目だ。
理由も分からずに否定したかった。根拠の無い話は大嫌いなはずだ。

「糞・・・っ」

気に喰わねえ。糞マネも、俺自身も。
激しく女の中を突き上げる。
出しては入れる、単純な行為を、早く、早く、繰り返す。

「あっ・・・はっ・・ぁ・・・・・・あっ・・・・・・」

限界が近いのか、声は少し高くなり、数も少なくなる。
奥まで入れてぐりぐりと押し込み、中を掻き回す。
少し女を落ち着かせ、再び出し入れの運動に戻る。
液は分泌腺が狂っているかのように流れ続けていた。
動きの度に水音は響き渡る。
そろそろ、俺も限界が近付いていた。
女の声は更に上ずる。
女は、俺の体に腕を巻き付けた。

「ヒっ・・・ル・・・魔・・・くっ・・・・・・も・・・・・・あああぁぁっっ・・・!」

一際甲高い声を上げ、女は果てた。
果てた瞬間にその場所は俺をきつく締め上げ、俺の白濁の液を搾り取った。
搾り取れなかった残りが、女の場所からつつ、と流れ出た。

女は、意識を手放していた。
ゆっくりと、女から俺を抜き出す。
女の頬を濡らしていた涙を舐め取る。
体中が、熱かった。衣服は汗で軽く湿っていた。
隙間風が俺の体を冷たく冷やす。

なにも、考えられない。
思考回路が作動しない。

曲線は、完全な直線になっていた。
俺は、この女に殺された。

女はぐったりと床に転がったまま、俺もなにも対処しなかった。
触ることが、怖かった。
今の俺が一体何なのか分からない限り、この女を扱うことは出来ない。
入れて出すだけの単純な行為だけならそれなりに経験してきた。
それ以上のものなんか、自分が必要とすることはないと思ってきた。
この女にしてみれば、むしろそっちが先で、行為は後のものなんだろうが。
今この女のこの淫乱な姿を写真に収めれば、こんな立派な脅迫ネタはねえ。
しかし、そんなことをする気は微塵にも起こらなかった。
もともとそれが目的だったはずだろうが。

俺に何をしやがった、姉崎まもり。
侵害どころじゃねえ。
テメーの罪は、そんなもんじゃねえ。

「・・・んっ・・・」

女が意識を取り戻した。
終わってから、10分ぐらいか。

「ヒル魔・・・くん・・・・・・私・・・」

「写真なんざ撮っちゃいねーぞ。安心しろ。あくまで講義だったからな。」

女の顔を、見ることは出来なかった。
女のいる方とは逆を向いていた。
黙って、服を着出したようだ。見はしねえが、なんとなく気配で感じ取った。
しばらく沈黙の時間が経って、女は衣服を身に着け終わった。

「・・・立ッ・・・てない・・・」

そんなもん自分でなんとかしやがれ、糞マネが。
俺は黙って、部室のドアに手を掛けた。
謝罪の言葉を告げる気は無かった。
そんなことをしたら、俺が俺で無くなる気がした。
まぁ、既にそうなってしまっているのかもしれないが。
ふと、無意識に、動くことを止めた。

「オイ、糞マネ。」

糞マネが立っているか座っているかさえ分からなかった。
分かんねんだ。

「テメーが好きだった。」

気付いたのは、事後。
そうだったのかどうか、今もそうなのか、それすら実は分かっちゃいない。
恋愛経験なんざ、全く無かった。
女が好き、だとかそういう感覚を、知らない。
ブッ壊して、グチャグチャにしたかったのが、だんだん違うものになって行き、
テメーの全てを支配して、テメーを俺だけのものにしたかった。
これが恋愛だっつーなら、恋愛ってモンは相当狂った代物だな。
こんなもんに憧れる人間の気が知れねえ。
実際、ここに待っていたのは、落胆や絶望や、拭いきれない気に喰わなさだけじゃねえか。

ドアを開こうと、手に力を入れようとした。

その時、後ろから、小さな女の手が前に回って、抱きすくめられた。

・・・テメー、立てるじゃねえか。
風紀委員はつまみ食いもすれば嘘もつくのか。
脅迫手帳は、少しは黒くなるかも知れねーな。

「・・・なんで、過去形なの。」

分からねえから、答えられねえ。
好きなのか、好きだったのか、頭では分からねえっつってんだろ。

「もう今は違うの!?」
「・・・・・・」

「私は、ずっとヒル魔くんのことが好きだったのに・・・!」

泣いて、いるのか?
女の声は掠れ、震えていた。
俺もまた、微かに体が震えた。
なにを言ってやがるんだこの女は。
テメーが俺を好きだっただと?ふざけんじゃねえ。そんな素振りなんかひとつも無かった。

「・・・じゃあなんで嫌がってやがったんだ。テメーの言う『好きな人』とヤッたってことになるぞ。」

否定しろよ。これ以上、惑わすな。
正直、いっぱいいっぱいだった。
こんな焦りなんか久しぶりだった。
女の腕に力が篭った。

「・・・出来るなら、好きな人に抱かれることをラッキーだと思いたかった。でも、私にはムリ。だって、」
「・・・なんだよ。」
「やっぱり・・・こういうことって、愛し合ってこそ出来るんだと、思うから・・・。」

・・・脅迫手帳は、これじゃあ永久に埋まらねえな。

女の力は俺には弱すぎて、腕を剥ぎ取り、女の方に向きかえり、身長の小さいこの女に、キスを落とした。
両手で頬に触れ、深く、甘く、口付ける。
好きだ、と確信を持って思うことは出来なかったが、欲しい、と確実に思った。
そしてそれを、手に入れた。その事実は変わらないものだった。
唇をゆっくり離し、女の華奢な体を、初めて抱き締めた。
あんなに強気で扱い悪い女だと思っていたはずなのに。
恋愛なんか、やっぱ分かんねー・・・めんどくせえし、分かりたくもねえ。
だからただ、この欲しかった女を手に入れた、その単純な考えだけで、俺はよかった。

「つまりはあれは強姦じゃねえな?」
「ふっ・・・ふざけないでください!!明らかにごっ・・・強姦だったわよ!!」
「あーうっせー。学校中にこのネタ流すぞ。」
「なっ・・・!やれるものならやってみなさい!」

ケケケ、と笑ってやった。

「駅まで送ってよ。歩けないから。」
「つーまみー食いーの上に嘘つきな。」
「もうっ!いい加減にしてよ!」

えらく、心は穏やかだった。
ほんの2、3時間前まではこの女が俺の苦悩の原因だった気がするが。

こういうのも、悪くねえと思った。
ここまでの曲線は、真っ直ぐになってしまったが、
また新しい曲線が生えて、安定した感覚で波を打っているような、そんな気がした。

 



 
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